毎日同じ時間帯、コース、同じ通りの歩道をある母子が通る。
恐らく二十代前半の若いお母さんと、まだやっとヨチヨチ歩きが出来るようになったくらいの男の子。
お母さん、そのヨチヨチ歩きの男の子を、自由に歩かせながらついて行く。もちろん、危なくならないよう、たまに導く。スマホ見るでもなく。よそ見するでもなく。ずっと優しく微笑みながら。
男の子、少し歩いては立ち止まって草を引き、目についた石ころを拾い、通りを走るバスを眺める。気の向くままに。ヨチヨチと。
暫く経って、逆方向に歩く買い物袋を下げたお母さんと男の子。近くのスーパーに通っているのだろうけれど、これ、なにげに凄いことなのだ。
どれだけの距離を歩くのかはわからないけれど、物凄い根気と意志がないと出来ない。もちろん性格もあるだろうけれど。
ただ近所のスーパーに買い物に行くのに、何時間かかるかわからない。
けれど、毎日。
凄いお母さん。